はじめに
出口ルールを策定する中で、「増配可能性が高い銘柄を先にA枠に昇格させるべきでは?」という疑問が生まれました。
でも判断するには、各銘柄の配当方針・連続増配年数・DOE目標といった情報が必要です。これまでシステムにはこのデータがありませんでした。
完全自動化も検討しましたが、配当方針のような定性情報は自動取得が難しい。結局、ChatGPTアプリに1銘柄ずつ調査してもらい、結果をClaudeに共有して整理するという手動+AIのハイブリッド方式が最もコスパが良いという結論になりました。
調査方法
ChatGPTに送ったテンプレートはシンプルです。
以下の銘柄について、配当方針と増配可能性を調査してください。
- 配当方針(累進配当/DOE/配当性向目標等)
- 連続増配年数
- 直近の中期経営計画での還元方針
- 自社株買いの実績・方針
- PBR1倍割れ改善への意識
- 増配期待度(高/中/低)とその理由
17銘柄を2銘柄ずつ、約2時間で全銘柄を調査しました。
増配期待スコア
調査結果を定量化するため、12点満点の「増配期待スコア」を設計しました。
- 配当性向が低い(+2)
- 営業CFが安定(+2)
- EPS成長中(+2)
- ROE 8%以上(+1)
- DOE・累進配当方針あり(+2)
- PBR1倍割れ改善意識(+1)
- 自社株買い余地あり(+1)
- 財務健全(+1)
- 過去に増配実績あり(+1)
12点中9点分はyfinanceで自動取得可能なデータ、残り3点分が今回ChatGPTで調査した定性情報です。
全17銘柄のスコア結果
調査の結果、保有銘柄の「増配力」に大きな差があることが分かりました。
スコア上位(11点以上)
満点の13点を獲得したのが2銘柄。どちらもB枠でしたが、累進配当を明記し、連続増配実績があり、自社株買いも積極的。A枠の条件を十分に満たしていました。
12点が2銘柄。1銘柄はDOE6%と連続5期増配の組み合わせ、もう1銘柄は配当性向13%という驚異的な増配余力を持つ成長株でした。
11点が4銘柄。累進配当やDOEを導入済みで、増配方向への圧力が強い銘柄群です。
スコア下位(5点以下)
驚いたのは、A枠に置いていた1銘柄がスコア4点だったことです。配当性向115%、ROE4.3%、累進配当なし、連続増配なし。A枠の「配当持続性・事業安定性」基準を満たしていませんでした。
C枠の優待銘柄は1-3点で、これは想定通りです。
データが示した枠の入れ替え
スコアを基に、以下の枠変更を実施しました。
A-枠の新設と昇格
スコア12-13点の3銘柄をB枠からA-枠(先行昇格)に昇格しました。いずれも累進配当またはDOE方針があり、増配確度が高い銘柄です。増配が正式に確認されれば、A枠に正式昇格します。
C枠からB枠への昇格
C枠に置いていた資源株がスコア11点。累進配当+総還元性向50%以上+自社株買い年1000億円規模。C枠にしておくにはもったいない銘柄でした。B枠に昇格しました。
A枠からB枠への降格
スコア4点のA枠銘柄。配当性向115%は「配当の持続性」に疑問符がつきます。業績回復予想はあるものの、A枠の基準を現時点では満たしていないと判断し、半分程度を売却してB枠に降格しました。
「感覚」と「データ」のギャップ
今回最も印象的だったのは、自分の「感覚的な枠分け」とデータが示す「適正な枠分け」のギャップです。
「安定してるからA枠」と思っていた銘柄が、データで見ると配当性向115%でA枠の基準を満たしていない。「サテライトだからC枠」と思っていた銘柄が、累進配当+5期連続増配でB枠以上の実力がある。
感覚で決めた枠分けを、データで検証する。このプロセスがあるだけで、投資判断の精度は確実に上がります。
手動+AIが最適解だった
当初は配当方針の調査も完全自動化しようとしました。Claude APIにWeb検索させて17銘柄分を一括取得する案、EDINET APIで有価証券報告書を解析する案。
でも結局、ChatGPTアプリに1銘柄ずつ聞くのが最もコスパが良いという結論になりました。
理由はシンプルです。
- API費用ゼロ(ChatGPTアプリは既に使っている)
- 追加のコード実装ゼロ
- 自分の目で回答を確認できる
- 17銘柄で約2時間
- 四半期に1回で十分
「トークン数を77分の1に減らしたら品質が上がった」という教訓と同じです。過度な自動化より、適切な手動+AIの組み合わせが現実的な解でした。
新しい枠構成
調査と枠変更を経て、ポートフォリオは以下の構成になりました。
- A枠(コア):累進配当+DOE下限を持つ1銘柄
- A-枠(先行昇格):累進配当または高DOEで増配確度が高い3銘柄
- B枠(準コア):A枠昇格を目指す8銘柄
- C枠(サテライト):優待・テーマ目的の5銘柄
枠の数は3層から4層になりましたが、各銘柄の位置づけがデータに裏付けられているので、むしろ判断はシンプルになりました。
まとめ
17銘柄の配当方針をChatGPTに調査してもらい、増配期待スコアで採点した結果、枠の入れ替えが必要になりました。
A枠だと思っていた銘柄がスコア4点。C枠に置いていた銘柄がスコア11点。感覚とデータのギャップは、調べてみないと分かりません。
配当方針の調査は、API自動化ではなく手動+AIのハイブリッドで十分。四半期に1回、2時間の作業で、ポートフォリオ全体の健全性を確認できる仕組みができました。
地味な作業ですが、投資判断の土台になる重要な情報です。コツコツ続けます。